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世界中で進むキャッシュレス化、日本は後進

世界中でキャッシュレス化の波が進んでいます。例えば中国本土に旅行に行くと、現金やクレジットカードによる支払いすら拒否されてしまうという店舗も珍しくありません。

中国の都市部ではスマートフォンによる電子決済が普及し、現金やクレジットカードでの支払いができず旅行者が困るケースが増えています。日本もキャッシュレス化の波が少しずつ浸透してきています。

最近ではスマートフォンによる電子決済アプリが次々に登場し、各社がプロモーションやキャンペーンをしてユーザーの囲い込みを狙う動きも見られます。実はキャッシュレス化は世界的な流れでもありますが、日本政府も後押ししています。国の後押しもあるということはキャッシュレス化は時代の流れです。

時代の流れに乗ることで投資もうまくいきます。キャッシュレス化は投資家も無視できない時代の流れです。

2014年頃から、日本政府は2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催を視野に入れたキャッシュレス化の推進を目指しています。

経産省の発表によると、日本は海外に比べキャッシュレス化が十分に進展していないため、2027年までにキャッシュレス決済比率を4割程度にまで高めることを目標に掲げています。経産省の次世代店舗実証実験に、コミュニケーションアプリでも有名なLINE Pay株式会社が参加するなど、官民の協力のもとでキャッシュレス化の推進に取り組む事例もあります。

投資では国策や時代の大きな流れを掴むことも重要です。キャッシュレス化は日本でも国策であり時代の大きな流れでもあるのです。

キャッシュレス化は社会全体にとってもメリットがあります。

現在の日本は労働人口が減り人手不足です。そのため実店舗で現金を管理するコストや手間は社会全体でも負担となっています。小売店でも現金のレジでの取り扱いや管理、警備会社に依頼しての輸送はコストと手間がかかっています。

またキャッシュレス化が進まないと、不透明な現金の流通による税収の低下や消費者の支払いも不便なままです。しかしキャッシュレス化が進めば現金の管理の手間とコストが軽くなり、消費者の利便性も向上します。

また支払いデータが活用され消費の活性化も期待されます。

日本は世界的に見てもキャッシュレス化が進んでいる方ではありません。2015年のデータでは、韓国のキャッシュレス決済比率が89.1%、中国が60%、アメリカが45%、フランスが39.1%だったのに対して、日本は18.4%と大きく遅れをとっています。日本では現金による取引が一般的ですが、世界にはキャッシュレスが主流の国もあります。

例えば北欧のスウェーデンは冬季の現金輸送が困難、犯罪対策を理由にキャッシュレス化が進みました。多くのATMが撤去され、現金を取り扱わない店舗が増えるなど、着々とキャッシュレス化が進み、スマートフォンアプリによる送金のやり取りや支払いが一般的になりました。

中国では現金の偽札問題、脱税、現金の印刷・流通・製造コストが問題になっていました。そしてスマートフォンが普及し、生活アプリが中国の国民の生活に浸透しました。同時にキャッシュレスで支払いができるアプリのユーザーも増え、いつしか支払いアプリは生活上の様々な利便性を高める機能を搭載するようになり、中国の社会的なインフラとなりました。現在では支払いアプリによる決済が中国では当たり前になりました。

世界には現金でのやり取りではなく、電子マネーやスマホアプリによるやりとりが中心のところも珍しくないのです。

日本でも少しずつキャッシュレス化が進んでいますが、世界的に見ればまだまだ進んでいないのが現状です。日本ではキャッシュレスが進みにくい背景もあります。

例えば、

・ 盗難が少なくて治安が良いので現金を持ち運んでも安全

・ 偽札の流通が少ない ・ 店頭でもPOS(レジ)の処理が高速・正確

・ ATMの利便性が高いため現金を用意するのが容易

このような社会的な背景もあり、無理にキャッシュレス化を急ぐ必要性がありません。しかも実店舗側ではキャッシュレス支払いに対応するための端末の導入コストや維持費も発生するため、あえて導入しないところも珍しくありません。

またキャッシュレスの端末での決済を導入すると、売上票の控えの処理などが現金の扱いとは別に発生してしまうため、現場の従業員に負担がかかってしまうことや、現金と異なり支払い後に即資金化できないため、資金繰りの問題もついてまわります。消費者としてもキャッシュレスの支払いアプリが混在しており、使える店と使えない店もあることから不便を感じてしまい、結局現金支払いが簡単だと考えてしまうのも仕方がありません。

キャッシュレス化を進めるには、実店舗側にも消費者側にもメリットを提示し負担を軽減することが重要です。例えば決済端末の導入費用に助成金を充てることや、義務化するなどの官民の協力が不可欠になるでしょう。

また、店舗側がキャッシュレスによる受付を導入することによる付加価値を提供することも、キャッシュレス化を促進するでしょう。例えば、LINE payではキャッシュレス機能と同時に実店舗に来店したLINE利用者に対し広告を流せるようにしたり、アンケートを取れる機能を盛り込んでいます。

店舗側が導入することによるメリットも併せてつけることでキャッシュレス化は進みます。キャッシュレス化に対応した店舗が増えれば、自然に利便性向上により消費者のキャッシュレス化も進みます。キャッシュレスアプリの利用者にキャッシュバックをするなどのキャンペーンの動きもあります。

民間企業では電子決済のイニシアティブをとるための囲い込み競争が加熱しています。

例えばPayPayでは100億円キャンペーンが話題になっています。PayPayのユーザーであれば、上限はあるものの、支払いの20%を還元するキャンペーンで利用者を増やそうという取り組みです。LINE Payでも大手コンビニエンスストアのファミリーマートと組み、20%の還元キャンペーンを行いました。

これ以外にも多くのQR決済サービスがポイント還元を通して利用者の獲得数を競っています。

キャッシュレス化で注目されている日本株も現在、投資家から注目を集めています。例えば三菱UFJフィナンシャルグループなどの銀行株やクレディセゾンなどのカード会社、最新型のICチャージ機関連の高見沢サイバネティクス、クレジット向けのシステムや金融機関向けに強みを持つソフト会社のクロスキャットなどが挙げられます。

キャッシュレスの国策と時代の流れに乗っている企業はキャッシュレス関連銘柄として注目しておくと良いでしょう。

米国株でもキャッシュレス化の恩恵を受けるのは、クレジットカードで有名なビザやマスターカードなどが考えられます。クレジットカード会社もカード決済だけではなく、QR決済のビジネスに深く入り込んでいます。

またクレジットカードの読み取りをスマートフォンで行えることで店舗側に利便性を提供しているカード決算処理企業のスクエアも注目されています。

国策と時代の流れは大きな買材料です。キャッシュレス化はまさに国策と時代の流れに乗っているテーマであり現在、投資家にも注目されています。QR決済の利用キャンペーンの囲いこみ競争も加熱しており、キャッシュレス関連のビジネスは投資家としても消費者としても注目しておくべき重要なテーマです。

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